「カビが生えてしまったら?!シーン別の除去方法&注意点」

「カビが生えてしまったら?!シーン別の除去方法&注意点」

私たちの身近な環境はカビにとって生活しやすい場所でもあるので、カビが生えてしまうのはある程度仕方のない部分もあります。大切なのは生えてしまったあとの対策。カビは放っておくとさまざまなデメリットや健康被害などの危険がありますので、速やかに除去しましょう。

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カビを除去する前の準備&注意点

生えてしまったカビはすぐにでも除去したいですが、まずは手順を考えてから取り組みましょう。カビの生えている箇所によってお掃除の方法やコツも異なります。またカビは見えている部分だけが全てではないため、全体的にカビを除去できるように計画的に行うことがポイントです。

やみくもに触ったり拭いたりしない!掃除機にも注意

カビは胞子を飛ばす、という特徴があります。そのためカビを触ることで、胞子をさらに飛び散らせてしまい、他の部分にカビを生えやすくさせてしまうことも。カビを見つけたらまずは静かに、息で吹いたり、ゴシゴシ拭いたりしないことが大切です。注意しておきたいのが掃除機。掃除機の排気でカビの胞子をまき散らしてしまう可能性があるため、掃除機でカビを吸わないように気を付けましょう。

自分を守る準備をしよう!

カビは人体に悪影響をもたらす可能性があるため、できる限り直接触れないように気を付けましょう。カビのアレルギーなどがある方は、特に注意が必要。防護アイテムとして役立つのが、マスク、保護メガネ、手袋などです。服に付く可能性もあるため、エプロンなどをして、掃除を行ったら着替えると良いですね。

また、カビの掃除に薬品を使う場合には、薬品のもたらす健康被害にも注意しておく必要があります。塩素系の洗剤を使う場合には、酸性のものと混ぜないことなどの洗剤自体の注意事項をしっかり読んでおくことが大切。目や口に入ったり皮膚に付いたりしないように、保護メガネやマスク、手袋を着用しましょう。スプレータイプは天井に向かってスプレーしないことにも気を付けてください。

カビの除去に役立つアイテム&注意が必要な方法について

カビの除去に役立つアイテムには、消毒用エタノール(消毒用アルコール)や市販のカビ取り剤、重曹などがあります。メリットやデメリットはそれぞれにあるので、時と場合で使い分けるのもコツ。

消毒用エタノールはスプレーなどで手軽に使えますが、引火性が高いため火のトラブルに気を付ける必要があります。使用時の臭いは、時間をおけば気化して気にならなくなるでしょう。

カビ取り剤は専門的で強力なため効果が期待できますが、取り扱い方が少しややこしいことも。使える場所が限定されていますので、製品の使い方をよく読みましょう。合わない場所に使用すると変色などのダメージにつながります。また、保護メガネやマスク、手袋などの着用のほかに、換気に気を付けることもポイント。

重曹はナチュラルクリーニングで活躍しているように、人体には優しいアイテムです。重曹と水、またはクエン酸やお酢などと混ぜて使用する方法があります。効果については専門の薬剤と比べると強力度では劣る部分があるものの、場所によっては黒カビなどをキレイに落とせるでしょう。

カビの除去に使うアイテムで気を付けたいのは、かえってカビに栄養を与えてしまわないようにすることです。例えば、水拭きをするとカビの喜ぶ湿気を与えてしまうことも。お酢は一般的に食品などへの殺菌作用が期待できるのですが、糖分などが含まれているためカビには栄養になってしまうことがあります。お酢を使う場合は、カビに触れたままにせず洗い流すなど上手に利用しましょう。

シーンに合わせたカビの除去方法

食べ物のカビ

カビの危険性について見てみるとわかりますが、カビの生えてしまった食べ物は食べないようにしてください。カビの部分を取り除けば食べられるのでは?とよく挙げられますが、カビは目に見えていない部分にも、カビの菌糸が広がっていることがあります。カビには毒性のある物質を作るものもあるため、危険です。カビの生えた箇所を取れば食べられそう、もったいないと思うこともあるかと思いますが、カビが生えていたら捨てる、というルールは守るようにしましょう。

お風呂場のカビ

お風呂場はカビの生えやすいところのため、見つけたら素早く除去しましょう。お風呂用の洗剤やカビ取り剤などを使って掃除する方法があります。最初にカビの上に付いた石鹸カスや皮脂などの汚れをお風呂用の洗剤で掃除してから、カビそのものにカビ取り剤を利用する手順です。タイルなどの表面に傷ができてしまうとカビがその中に入り込んで繁殖しやすくなるため、お風呂のカビ取りではゴシゴシこすらないようにしましょう。

カビ取り剤はカビの部分が乾くまで待ってから使うのがコツ。カビ取り剤を利用するときには、通常の注意事項に加えて、高いところのカビ取りにも気を付けてください。自分の目の高さよりも高い位置にある壁や天井のカビにはスプレーはせず、スポンジに取って塗るようにしましょう。ドアなどゴムパッキンの部分には、ゴムパッキン用のカビ取り剤を使うのも良いですよ。

重曹を使う場合には、水を加えてペースト状にした重曹をカビの上に塗り、その上からクエン酸を溶かした水をスプレーする方法があります。ラップで覆って30分~1時間程度待ち、優しくこすって洗い流すと良いでしょう。重曹とクエン酸を混ぜたものをカビの上に乗せてから水をスプレーする方法もあります。

窓枠のカビ

結露が溜まりやすい窓枠もカビが生えやすい場所です。ゴムパッキンなどが入っていて、カビが取りづらいのがやっかいなところ。方法としては、消毒用エタノールで掃除するほか、キッチンペーパーにカビ取り剤や重曹などを染み込ませてカビの上に乗せ、ラップなどで覆い数分放置するやり方があります。その後キッチンペーパーを取り除きながら拭き取りましょう。長時間放置するとゴム自体にダメージを与える可能性があるため注意が必要です。カビ取り剤は、お風呂場と同じようにゴムパッキン向けのものを使用する方法もありますよ。

畳のカビ

畳のカビは、梅雨から夏にかけて湿気の多い季節に生えやすくなります。畳の表に生えてくるので目で確認できるでしょう。タンスの下や風通しの悪い部分などに生えやすいです。生えてすぐなどカビの状態が軽度の場合は、畳みの目に沿って乾いた布で乾拭きして対処が可能。カビの繁殖が目立つ場合には、消毒用エタノール(消毒用アルコール)をタオルに含ませて拭き取り、その後かたく絞った雑巾で拭きましょう。

または、消毒用エタノールをスプレーで畳に吹きかけて少し置いた後、消毒用エタノールを使いながらブラシでカビをかき出して取り出す方法も。いずれの場合も、最後に乾いた雑巾で拭いて乾燥させます。水分を残さないように注意しましょう。ただ、薬剤を使用すると畳が傷む可能性があるため、カビがひどい場合は専門業者に相談してみてくださいね。

壁のカビ

壁のカビは繁殖が広がると落ちにくくなり、健康被害にもつながるため早めに対処しましょう。初期のカビなら、消毒用エタノール(消毒用アルコール)をスプレーして拭き取ることができます。同時に除菌作用で再発を抑える働きも期待できるので便利。繁殖が広がったカビは消毒用エタノールだけでは落ちない場合があるため、まず中性洗剤を水で薄めたもので優しくこすった後に、消毒用エタノールで拭いてみましょう。

ナチュラルクリーニングでは、酢水をスプレーしてから数分後に拭き取り、次に重曹ペーストを塗ってラップなどで覆い、数時間後に拭き取る方法があります。クエン酸と重曹を使っても良いでしょう。ただ、この場合も最後に消毒用エタノールをスプレーします。

いずれの場合も、壁紙にダメージを与える可能性がありますので、使用するアイテムを目立たないところで試してから行うと安心です。市販のカビ取り剤を使う場合には、壁紙に合わせて使用可能なものを選びましょう。あまりにもひどいカビは、表面をキレイにしても再繁殖の可能性があるため、壁紙ごと取り換えてしまった方が簡単に済む場合も。状況に合わせて対処方法を選ぶのがおすすめです。

エアコンのカビ

エアコンのカビは内部に生えていることが多く、自分で掃除をするのが少し難しいこともあります。簡単な掃除で取り除けないときには、専門業者に依頼してみてください。

自分で掃除をする際には、忘れずにエアコンの電源をコンセントから抜きましょう。エアコンを開けるとフィルターがありますが、カビはこのフィルターの奥にあるフィンと呼ばれる部分やさらにその奥のファンなどの内部に生えやすいのだそう。取り外せるフィルターに生えたカビは、中性洗剤などで洗った後に消毒用エタノール(消毒用アルコール)で除菌する方法があります。フィンなどの内部には、エアコン用のカビ取りに役立つクリーナーを探してみましょう。スプレータイプで簡単に使用できるものなどがありますよ。

衣類のカビ

服に付いたカビもやっかいなトラブルですね。衣類のカビは、まず外で払い落すという方法が挙げられています。衣類用のブラシで取り除く方法も。その後、消毒用エタノールを使ってタオルや古い歯ブラシなどで優しく叩くように取り除きましょう。アイロンをかけたり外に干したりしてよく乾燥させるのがポイント。消毒用エタノールが使用できない衣類の場合は、かたく絞ったタオルで同じように優しく叩くようにしてカビを取り除きましょう。カビが取れたらアイロンなどでしっかり乾燥させます。

または、カビを払った後に、消毒用エタノール(消毒用アルコール)をたっぷり吹きかけてから、酸素系漂白剤を使って洗濯機で洗う方法もあります。黒いカビなどカビの繁殖が目立つ場合には、酸素系漂白剤をカビの部分に直接塗った後に、酸素系漂白剤入りのお湯を入れたバケツに漬けてからもみ洗いするのも良いでしょう。

衣類のカビは衣類を傷めないように除去しなければいけないため、少し難しいことも。迷ったら専門のクリーニング業者に依頼するのもおすすめです。

カビを除去したら予防にも気を付けよう

残念ながら、目に見えているカビを除去しただけでは、完全に対策できない場合があります。カビが生えるしくみを知るとわかりますが、空気中にカビの胞子がいる限り絶えず住みかを探し続けている可能性も。せっかく掃除したのに、何日かしたらまたカビが生えている、なんてケースも珍しくありません。生えているカビを除去したら、併せて予防方法についても意識しておきましょう!